おたがいさま食堂で目指したいこと③

~たべる・あそぶ・つながる~

2018年08月22日 10:56





「子どもの社会力 門脇厚司著 岩波書店」

古本屋で50円で買った本です。1999年に発行されていますが、古さを感じさせない本です。


社会力とは…

「すでにある社会にうまく適応できていること」や「社会に適応してやっていける様々な知恵や技術を身につけていること」=社会性とは異なります。

「主体的に、好ましい社会を構想し、作り、運営し、改革していく意図と能力と、そのための日常的な活動」のことを指します。

社会を作る力、変えていく力です。

社会変革だとかイノベーションとかはよく耳にしますが、「社会力」ではないかと思います。

この本では、社会力が形成されるためには、子どもが他者と相互に関わることが必要と書かれています。


社会力が形成される過程にはいくつかの段階があると。

0歳から3歳までの第一段階は主に家族の中で育ちます。

第二段階は、移動範囲の広がりと比例し、子どもの社会力形成の場もまた家庭から地域社会の中で育ちます。もちろん、学校もそうですが、空間としての多様さ、出会う人の多様さは地域社会の方が豊かです。年齢的には4歳くらいから青年期が終わる25歳ごろまで、と。

第三段階は、なんと、20代後半から定年を迎える60歳ごろまで、と。私たち親もまだ成長の途中なのです。


今、子どもや若者が(だけでなく私たち大人も)社会力のある人に育つため、相互作用する機会や場がどんどん失われています。

おたがいさま食堂は、「子どもも大人も社会力が育つ場」を目指したい。


おたがいさま食堂という月に一度の小さな場に収まらず、日常の生活の中で相互に関わることができたらうれしいです。

どうか時間があったらぜひ読んでほしいな。子どもが置かれた状況がよくわかります。

子育てで悩む人には「自分のせいではない。個人の問題ではない。」と思える本です。いじめや不登校で悩む人、子どもがテレビやゲームが大好きで困ってる人、子どもが勉強しないと嘆く人、子どものためにと習いごとを次々に入れたくなる人。私(親)のせいでちゃんと育たないと嘆きたくなる人も。
私たちは、わけのわからない混乱した中で子育てしているということになります。



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